私大職員のホワイトさが加速している件

気づけば私も私大職員になって10年以上が経過したわけですが、働き方改革の恩恵で、ただでさえホワイトだった就業環境がさらに改善している(特にここ数年顕著)と感じています。もはや白さを通り越して輝きを放つ、シャイン企業といえるかもしれませんw

今日は、そんな私大職員の待遇の現状について、自身の経験をもとにご紹介できればと思います。念のために断っておきますが、すべての大学でこうした環境が整えられているわけではありません。あくまで筆者の環境ということを申し添えておきます。

 

残業時間(超過勤務)について

私が入社した当初は、残業(超過勤務)についてはかなりルーズでした。

いわゆるタイムカードなどはなく、残業したら自己申告で上司に確認し、システムに入力するという具合です。

周りの人も少々の(サービス含め)残業はして当然みたいな考え方があり、「超勤つけないんだから好きにさせてよ!」みたいな考え方も横行していました。冗談だったのかもしれませんが、体育会系の先輩の「欲しがりません、(私大競争に)勝つまでは!」発言に戦慄した記憶もあります。

他にも上司から「1時間程度は残業とは呼ばない」とか、「就業1時間以上前には来て、上司や先輩の机を拭くように」とも言われて愕然とした覚えがあります。

 

ところが、今はその状況がかなり改善されています。

超過勤務の自己申告制自体は変わっていませんが、勤怠がPC稼働時間と連動して管理されるようになり、大幅な乖離については管理職に指導が入るようになりました。

これについてはかなり強烈に指導されるらしく、残業ラブみたいなオラオラ系上司ですら「ほんとはこんなこと言いたくないんですが」と前置きしながらも残業削減を指導する状況です(これもハラスメントだと思いますが…w)。

そして、そもそも申請がなければ19時にはPCが自動で電源OFFになるので、19時以降の残業は基本的にできません

その申請も、直属の上司だけでなく、その上(部長とか)に確認しないとできないので、直属の上司としても自分の管理能力のなさを露呈するだけの残業申請はさせたくない、という内部牽制が効いています。

 

こうして、ただでさえ少なかった超過勤務は大幅に削減されているように感じます。

なにより、「早く帰らないといけない」という空気感が醸成されたのが、個人的にはとても好ましいと思っています。

 

有給休暇について

有給休暇は、私の所属する大学では年に20日付与されますが、入社当初はほとんど消化することができませんでした。というのも、有休以前に振替休日を取得しないといけない状態が続いていたからです。

私の所属する大学では、休日に出勤する場合は基本的に振替休日をとることになっています。振替休日は予め振替日を指定して休日に出勤させるという制度ですが、予め振替日を指定することがなされない状況が何年も続いていました

そのため、振替休日をとりたいです!と言わなければとれず、ひどい人は年に20日とか溜まっている場合もあったようです。

 

以前、金曜に振替休日を指定していた週の週初めに予定ができ有休を申請したことがあったのですが、上司から有休ではなく金曜の振替休日を充ててくれと言われて口論になったことがあります。この金曜は休日の振替なのでいわば土日と同じな訳です。つまるところ、有休を申請したら「代わりに土日に出勤してくれ」と言ってるのと変わりありません

このように、振替休日と代休の違いもよく分かっていない管理職が多かったのですが、現在は休日出勤と同時に振替日を指定しなければならなくなり、その期日も1ヵ月を超えないことになったので「振替休日をとれない…」ということはかなり少なくなっています。

仮にとれなくなったとしても、1ヵ月を超えた時点で割増賃金として処理となるようになったため(+上司には指導が入りますので、休ませないことへのペナルティはあります)、精神的には何もないより良い状況です。

勿論、この4月から導入された有休5日取得義務化もあり、有休への理解はかなり進みました。私個人は月に1~2回、年に15日程度は取得している状況です。

 

まとめ

以前は新人や中途入社したての人は定時に帰りづらい…みたいな雰囲気があったようですが、いまでは転職して3日目には私と同じように定時で帰宅している人がほとんどです(当たり前なんですが…w)。

この10年間で待遇面で改悪されたのは賞与くらい(1ヵ月未満のカット)で、順調に昇給していっているので給与面での不満は今のところありません。それよりも勤務時間が大幅に削減されていることの恩恵の方が大きく、非常に働きやすくなりました。

こうした情報を“俺たち大学をしょっているぜ!層の管理職たち”は「楽してると思われるといや」ということで隠したがるのですが、今の就職戦線ではむしろ、ホワイトさをアピールするのが普通です。

キャリアセンターの同僚に聞いたのですが、やはり待遇と応募する人材の能力は比例するようです。そして、かなりの中小企業でも最近は待遇面の改善をかなり意識しているとのことで、私大職員の労働環境はかなりアピールできる要素だと思います。こうした環境に魅力を感じ、優秀な人が集まってくれる方が結果的に組織力が高まることになる可能性の方が高いわけですしね。

 

とある上司が私大職員の労働環境は「一周回って最前線」と表現していましたが、なるほどと思いました。

今では義務化された65歳までの雇用ですが、一般的な企業の様に契約形態を切り替える(給与減)のではなく、多くの大学では昔から65歳(教員は70歳)定年だったりするのも、その理由です。

こうした情報はさすがに浸透しておきており、私が就活していた大学4年生当時は私大職員はマイナーな職種でしたが、いまでは転職市場では不動の人気ナンバーワンとなっているそうです。一度働いた人が「やりがいとか成長機会とかいいから働きやすさを…」と求めるのがこの業界ということなのかもしれませんね。

 

新卒の方も、転職希望の方も夏季休暇前のこの時期は多くの大学で採用活動をし始めるころです。興味がおありの場合、気になる大学を随時チェックしてみるのもいいかもしれません。

ちなみに、どんな大学なら待遇が良いかについては以下で書いていますので、参考にしてみてください。

私大職員を目指すなら収容定員4,000人以上の大学にいくべき説

皆さんの就活がうまくいくことを祈っています!

 

3 COMMENTS

アバター 中流父さん

神奈川さま、

久しぶりに新設された医学部擁する大学ですね!

正直なところ、医学部新設というインパクトはあるものの、
東北という地理的ハンデがありますので、ノーマークでした。

薬学部は一時ブームになって大量に開設されましたが、
医学部も併設しているところは少なく、強みにはなると思います。

また、詳しく調べてみますね!

返信する
アバター 神奈川

お返事ありがとうございます!

私も同業者として気になっている大学でしたので、調べて頂けるのは非常に助かります☺

お時間のある時に、宜しくお願いします!

返信する

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA