全国の女子大学の待遇を調べてみた

コメントを頂きましたので、女子大学に絞って待遇情報を調べてみました。

個別大学の詳しい情報については調べ切れていませんが、女子大学のざっくりとした待遇序列のイメージはできるかと思いますので、興味のある方はご参考までに。

 

女子大の平均年収ランキング

今回は全国にある68校の女子大(神戸海星女子学院大学は事業報告書の記載が不十分のため未掲載・短期大学を除く)について、ざっくりとした平均年収を予測してみました。

計算方法は、2017年度資金収支計算書の人件費総額÷2017年度事業報告書記載の教職員人数の70%です。

 

<注意事項>
〇資金収支計算書の人件費総額には、パート・アルバイトなどの非正規の人件費も含まれます
〇また、役員報酬・退職金なども含まれるので、極端にパート・アルバイトが多いと、専任教職員の給与は下振れしますし、その年度に退職者が多かったりすると人件費が多めに算出されることもあります。
系列校の幼保小中高などの設置有無で数%単位で年収が変わる可能性があります
〇法定福利費(年収の16%程度)もありますので、個別の事情は考慮せず、ざっくりと3割減にしています(一応、私の所属する大学では、これで概ね計算が合いました)。

2017年度の女子大職員の平均収入ランキング

大学名           平均年収
同志社女子大学        12,291,695
金城学院大学         10,498,664
聖心女子大学         10,397,758
神戸女学院大学        10,272,489
跡見学園女子大学       10,150,927
東洋英和女学院大学     9,906,328
学習院女子大学       9,671,762
清泉女子大学        9,485,203
日本女子大学        9,306,566
女子栄養大学        9,128,988
武庫川女子大学       9,126,499
共立女子大学        8,936,975
津田塾大学         8,752,214
東京女子大学        8,741,474
恵泉女学園大学       8,648,403
椙山女学園大学       8,631,970
大妻女子大学        8,570,326
実践女子大学        8,403,535
京都女子大学        8,376,090
宮城学院女子大学      8,358,746
女子美術大学        8,248,546
大阪女学院大学       8,229,632
神戸女子大学        8,225,506
筑紫女学園大学       8,212,167
甲南女子大学        8,146,450
和洋女子大学        8,113,614
相模女子大学        8,056,907
神戸松蔭女子学院大学    7,786,955
昭和女子大学        7,746,095
東京家政大学        7,686,724
愛国学園大学        7,556,345
東京家政学院大学      7,519,415
フェリス女学院大学     7,504,237
十文字学園女子大学     7,456,858
大阪樟蔭女子大学      7,423,007
日本女子体育大学      7,263,112
駒沢女子大学        7,170,679
広島女学院大学       7,163,769
神戸親和女子大学      7,160,221
西南女学院大学       7,065,628
東京女子体育大学      7,060,497
梅花女子大学        6,921,662
京都ノートルダム女子大学  6,876,085
川村学園女子大学      6,862,186
京都光華女子大学      6,784,324
仙台白百合女子大学     6,651,973
白百合女子大学       6,651,973
安田女子大学        6,546,770
福岡女学院大学       6,517,798
福岡女学院看護大学     6,517,798
ノートルダム清心女子大学  6,510,429
清泉女学院大学       6,482,905
鎌倉女子大学        6,480,559
名古屋女子大学       6,391,904
郡山女子大学        6,391,876
東京純心女子大学      6,237,508
藤女子大学         6,205,158
活水女子大学        6,077,199
四日市看護医療大学     6,028,626
園田学園女子大学      6,009,315
聖徳大学          5,830,634
九州女子大学        5,487,312
鹿児島純心女子大学     5,074,504
東北女子大学        4,997,523
尚絅大学          4,694,318
東京女子医科大学      4,645,049
松山東雲女子大学      4,454,515
岐阜女子大学        4,387,854

 

女子大御三家と呼ばれる名門3校、津田塾大学(875万・13位)、日本女子大学(930万・9位)、東京女子大(874万円・14位)は上位に位置はしますが、待遇トップ3には入れず。

関西の女子大御三家、同志社女子大学(1,222万・1位)、京都女子(837万・19位)、神戸女学院(1,027万・4位)は結構すごいことになってますね。同志社女子は、同志社大学と設置法人が同じなので待遇が引き上げられてる感はありますが、頭一つ抜けた待遇になっています。

ただ、最下位である岐阜女子大学の437万円も、2018年の全サラリーマンの平均年収414万円(2018年・転職サイトdoda調べ)より上なので、女子大学ならどこでも平均的なサラリーマン以上の待遇を見込めそうです。

 

女子大の待遇情報と属性から見る傾向

一般的な大学選びでは、三大都市圏所在、収容定員4,000人、総合大学を基準にする方がよいという話をしていたと思いますが、女子大ではどうでしょうか。

新卒で大学職員を目指すには

以下は、女子大の平均年収(予測)とそれらの相関を示したグラフになります。

 

グラフ1:所在地と年収

個別の大学で違いがありますが、平均的には関東≒近畿>中部>その他の傾向はあるように見えますね。

 

グラフ2:収容定員と年収

これは結構明らかな正の相関がみられると言ってもいんではないでしょうか。

やはり、収容定員が増えるほど、年収が増えているのは確認できます。

 

グラフ3:学部数と年収

見づらいですが、縦軸が学部数です。学部は一つでも複数学科を擁する大学も多いので、一概には言えないところもあります。

何とも言えない気もしますが、学部数が増えるほど年収は高い位置に分布している割合が増える気も…しますね。

 

グラフ4:設立年と年収

設立年が古い=ブランドに直結することが多い大学業界では、経営の安定度もこの歴史にある程度左右されます。

1950年付近に設置数が多いのはいわゆる新制大学が多いからで、1948年~1950年に設置されている大学は由緒ある大学といっても過言ではないでしょう。現に、関東・関西御三家の女子大は全て1948年~1949年に設置されています。

待遇的にみれば、緩やかな負の相関が見れなくもない…という感じ。多少なりとも、設置年の待遇への影響はあるように感じます。

 

まとめ

女子大学の待遇情報はいかがだったでしょうか。

今回調査をしてみて、女子大では人間~系の学部が異常に多かったりすること、やはり教職員に占める女性の割合が極端に多いこと、地方大学では情報公表がイマイチだったりなど、発見が多くありました。

個人的に、今回調査をしてみた上で大学選びをするなら、地域別に以下の3校がおススメかと思います。

1位 同志社女子大学(関西)
2位 金城学院大学(中部)
3位 聖心女子大学(関東)

同志社女子は最高の予想年収と最高の休暇数(年間休日137日)、母体が学校法人同志社なのでいざとなったら助けてもらえるというセーフティーネットからも文句なしに女子大ナンバーワンだと思います。

金城学院、聖心ともそれぞれの地域で予想年収トップで、完全週休二日(聖心は土曜出勤がありますが、その際、振替で休みがあります)である点が高評価でした。金城は5.8ヵ月の賞与があるという情報も心強いですね。

将来性を考えれば、関東・関西の女子大御三家、収容定員の多い武庫川女子大学、大妻女子大学、東京家政大学、椙山女学園大学、昭和女子大学、安田女子大学なども安定していると思います。

 

女子大は少子化の影響を共学以上に受けるので、大学選びはよりシビアになってきます。大学選びにおいては、収容定員を基準に、ブランド力(歴史)があること、系列校(小中高)の有無、地域占有率など、十分に考慮することが必要かと思います。

5 COMMENTS

アバター オカモト

日本女子大学の年収ですがどのような内約でこのような結果になっているのか教えてくださいませんか。
ソース等も教えてくださると幸いです。

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アバター 中流父さん

>オカモトさま、

コメントありがとうございます。

まず初めに謝罪しなければならないのが、日本女子大について内訳をみてみたところ、数値が誤っていたという点です。
教員数の計算が誤っておりましたので、予想平均年収が930万、順位は9位となりました。

以下、計算ロジックですが、2017年の事業報告書および資金収支計算書を参考に以下の通りとなっております。

(A)7,485,137,937÷((B)394+(C)169)×7/10 = 9,306,566

(A)2017年人件費支出決算額 ※資金収支計算書
(B)2017年専任教員数 ※事業報告書
(C)2017年専任職員数 ※事業報告書

(A)÷(B+C)で、専任教職員の一人当たり年間の人件費が概算できます。
これにざっくり7掛けして、職員の平均年収としているわけです。

以下は細かい説明です。

資金収支計算書の人件費には、教員給与、職員給与、役員報酬、退職金支出が含まれています。
大学によっては、学校法人会計基準の区分け通りこれらを区分して公表しているところもありますが、大学によっては区分けを公表していない状況ですので、今回の調査では人件費総額を利用しています(日本女子大についても、総額のみの公表です)。

また、7掛け部分は大学によって変わる可能性があり、

・教職員の年齢構成(±)
・教員の方が職員より給与が高い傾向がある(-)
・付属学校の設置有無(中高小幼保の給与は大学の職員より低い傾向)(±)
・当該年度に退職者が多い(少ない)と人件費支出が多少変動する(±)
・非正規教職員の人数及び派遣職員の割合(±)
・非正規教職員の給与水準(±)
・SA比(学生数/専任職員数)(±)
・福利厚生の度合い(±)

といった変動要素があります。

こういった細かい要素を無視し、私の所属する大学でも概ね合致する7掛けにしているという感じです。
したがいまして、当該大学では必ずこの水準の平均年収がもらえるという訳ではありません。

興味のある大学がおありの場合は、これらをベースに上記変動要素を財務諸表等から読み解けば、より正確な水準が見えてくるかもしれません。

ちなみに日本女子大学は基本給のデータなども多少拾えており、以下の様になっていました。

学部新卒 206,500円
院新卒 224,100円
賞与4.0ヵ月
住宅手当10,000円、配偶者手当4,000円

ぱっと見た感じ、大学職員の中では収入は控えめな印象ですね…。伸びしろが大きいのかもしれません。

こういった情報をもとに年収を予想してみるといいかもしれません!
ご参考になれば幸いです。

返信する
アバター コマチ

トップ10に入っている大学に勤めている30代(専任)ですが…。
若手の給与は抑えられてますし、こんな給料が将来貰えるなんて予想もできません、、、。

返信する
アバター 中流父さん

コマチさま、

貴重な情報ありがとうございます。

確かにこれはかなり大雑把な計算なので、実体と乖離している可能性はありますね。

このクラスの大学で給与改定を行うのは「赤字になって資金繰りがやばい」という切羽詰まったものより、「将来やばくなりそうだから今のうちに水準を下げよう」というものが多いと思います。
この場合、既に支払っていた水準は維持するケースが多いと思うので、上の方はもらっているのかもしれませんね。

給与支給規程などに年齢ベースの俸給表があると思いますので、ざっくり計算してみるといいと思いますよ!
(お勤めの大学が完全な能力主義や役割主義ならごめんなさい…)

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