私大職員の待遇を調べてみた:立教大学 編

長嶋監督の母校という事で有名な立教大学です。東大・慶應・早稲田・明治・法政と東京六大学野球連盟に所属しており、昨年は59年ぶりの全国大会優勝ということで、大いに盛り上がったようですね。フットボールやバスケットが人気のアメリカでは大学スポーツでもこれらがダントツの人気で、NCAA(大学スポーツ全体を管理するアメリカの団体)の1,000億ドル近い収入の大半は、これら2種の試合の放映によるものです。日本でも現在、日本版NCAAの創設が進んでいますが、目玉はまず野球、そしてこの六大学野球はその中心になるはずです。

志願者数も順調に推移しており、昨年度は7万人越えの私立11位、MARCHの中では4位という結果でした。ですが、昨今国際系学部の新設と難化が激しく、そのせいか、異文化コミュニケ―ション学部だけは元気がないことが少し気がかりです。とはいえ、それでも多くの志願者を集めていることに変わりはなく、MARCHの中では特に女性に人気が高いこともポイントです。そんな立教大学ですが、職員の待遇はどの程度なのでしょうか。

 

独断と偏見による総合評価

休日 給与水準 将来性 総合評価
A

・×は1点、△は2点、○は3点、◎は4点。
・合計11-12点→S評価、9-10点→A評価、7-8点→B評価、5-6点→C評価、3-4点→D評価。
・その他様々な理由で増減あり。

以下で詳しく見ていきます。

 

基本データ

大学名 立教大学
大学公式HP http://www.rikkyo.ac.jp/
学部学生数 19,140人(男8,751・女10,389)
専任教職員数 853人(教員560名・職員293名)
ST比・SA比 ST比 1:35 SA比 1:65
人件費率 52.2%
資産額 約812億円(内、流動資産300億円、特定資産250億円)
負債額 約177億円(内、借入金等78億円)
寄付金等収入額 約3億7,476万円
私立大学等経常費補助金額 約20億8,258万円(全体29位)

・立教大学ホームページ「情報公開・データ」より。
・寄付金額は2017年度事業活動収支計算書より。
・私立大学等経常費補助金額は私学事業団ホームページより。(平成29年度分)

 

職員待遇に関するデータ

年間休日日数 ??日程度(日曜・祝日 特別土曜 季節休暇)
勤務時間 8:50-17:00 / 8:50-12:30(週実働36‐40時間)
22歳(学部新卒)年収 約463万円(月給20万1,000円、研修手当15,000円、住宅手当25,000円、賞与6.4ヵ月+200,000円
24歳(修士新卒)年収 約511万円(月給22万7,000円、研修手当15,000円、住宅手当25,000円、賞与6.4ヶ月+200,000円
30歳モデル年収※ 約728万円(月給30万5,000円、研修手当15,000円、住宅手当25,000円、扶養手当40,000円、賞与6.4ヵ月+200,000円
35歳モデル年収 約862万円
45歳モデル年収 約1,129万円

・立教大学ホームページ、各種転職サイト等より。
赤字は推測です。詳しくはコメントを参照してください。
・※30歳モデル年収は、配偶者+子ども1を想定したケース。

 

競争力に関するデータ

偏差値 75~67
入学定員充足率 0.98
収容定員充足率 1.07
初年次退学率 0.9%*
就職率 84.0%(就職3,778人/(卒業4,497人-進学209人)
有名企業就職率 25.8%(全体32位・私学13位)/昨年27.6%(全体31位・私学16位)

・偏差値は進研模試ホームページより。
・入学定員および収容定員充足率、退学・就職率は立教大学ホームページ「情報公開・データ」より。
※4年間退学率データの算出が不可能なため、初年次退学率を掲載
・有名企業就職率は大学通信「「有名企業への就職率が高い大学」ランキング」より。
※これまで昨年度結果から引用

 

コメント

立教大学はMARCHの中でも高水準の待遇と言われています。ちらほら出ている年収データがそれを物語っていて、35歳で900万円近く、40歳を超えると1,000万の大台も視野に入りそうです。ただ、諸手当等の詳細は分かりませんでしたので、以下で検討してみたいと思います。

 

基本給・賞与、各種手当について

まず、22歳学部新卒の初任給が201,000円、24歳修士卒の初任給が227,000円なので、大学は基本的に学位による給与テーブルの違いがない=年齢2年差分ということを考慮すると、最初は13,000円/月のペースで昇給していく計算になります。

十分な昇給幅ですが、待遇の良い大学と比べると控えめです。個人のサイトでは、35歳の月額本俸が407,200円というデータがあったのですが、この通りの昇給していったとしても35歳で370,000円程度と4万近く足りません。それに、昇給幅は漸減していくことが一般的です。データが間違っているか、本俸だけども手当が含まれている、または大幅な昇給がある可能性が考えられますが、最後のは少し考えにくいですね。

各種手当は、通勤交通費補助金、残業手当、研修手当、住宅手当、扶養手当、役職手当があるようです。35歳のモデル年収は、配偶者+子ども2人の役職無しのケースが多いと思いますので、それを念頭に予想してみます。

まず、待遇の良い評判を加味して各種手当を次(研修手当15,000円、扶養手当(配偶者25,000円、子ども15,000円)、住宅手当25,000円)のように仮定してみます。35歳基本給を365,000円(昇給幅の減を加味)としてみると、各種手当計95,000円を加えた460,000円が月額の給与になります。

これに、賞与を6.4ヵ月+200,000円(待遇のよい大学のよくあるケース)をかけてみると、年収は8,664,000円となりました。組合のデータにはだいぶ近くなりましたね。ちなみに、上のサイトの金額は扶養手当を除くとほぼそのくらいの金額になります。私の大学でも、住宅手当や研修手当は無条件でもらえるので、半ば基本給の認識があります。そういう意味で本俸となっている可能性もありますね。

 

休日・将来性、その他について

収入面では申し分ないですが、土曜日は結構大変そうです。隔週かどうかも書かれていませんので、月1回なのか、毎週なのか分かりません(まぁでも隔週以上で休みだとは思いますが)。また、土曜は休憩なしというのもマイナスですね。土曜出勤は13時くらいに終わることが多いですが、お昼休みはあるケースが多いと思います。

将来性については、これまでと同様、このクラスの大学は語るまでもありません。問題ないです。消費者である学生は、ブランド化された大学を、学べる内容や就職率、学費等といった打算的なもの以上に、もっと感情的な(モテそう、いい会社入れそう、みんなに自慢できそう、など)理由で選択することが多いと思います。

これが、ブランド大学の強みであり、一朝一夕で築くことは難しい、他大学を寄せ付けないための堀のようなものになっています。近畿大学がいくら実績を積み上げて頑張っても、関関同立のイメージに追い付くことが難しいのがその証左です。

これだけではあれなので、一つ立教の面白そうな取り組みをあげるとすれば、立教セカンドステージ大学があります。これは50歳以上限定で、1年間、聴講生として受け入れるものです。科目等履修生の延長ではあるのですが、週3日以上通うという現役学生に近い環境であることがポイントです。

科目等履修生ではあまり儲けられないのですが、ここでは年間40万円も徴収しています。しかも、正式には大学ではないので、文科省による定員の縛りがありません。これくらいのブランドのある大学では集客もできるのでしょうし、大学における無限に近いブルーオーシャン(シニア市場)を開拓する可能性を秘めているでしょうね。

 

以上、長々とみていきましたが、給与面では問題ないものの、土曜の件がマイナスなため、A評価としました。

 

*上記評価等は個人的価値観に基づく評価付けであり、大学自体の優劣を論じるものではありません。

 

 

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