普通の生活には年収580万円以上が必要らしい

京都総評が先日発表した政策提案(最低生計費試算調査結果―30代~50代の子育て世帯)が話題になっていました。30代-50代の4人家族が京都市内で普通に暮らしていくには、30代で月486,913円、40代で549,823円、50代で707,536円が必要とのことです。

京都総評は労働組合の団体なので、こうしたデータは賃上げ要求のために盛られている事は明白ですが、それでもYahoo!ニュースなどでは結構共感を得ているようで、あながちぶっとんだ内容でもないなという印象です。

 

最低生活費試算調査結果(京都総評資料より)

気になる内訳は以下の通りです。30代は幼児+小学生、40代は中学生+小学生、50代は大学生+高校生の組み合わせによる試算結果です。

生活費結果 内訳 30代 40代 50代
A消費支出(1~10) 381,075 420,094 553,834
1食費 112,881 128,228 138,407
2住居費 63,542 67,708 69,792
3光熱・水道 18,636 19,405 19,830
4家具・家事用品 11,520 13,200 13,544
5被服・履物 13,095 13,538 17,413
6保健医療 8,440 11,857 12,003
7交通・通信 53,185 53,707 65,847
8教育 28,097 38,875 127,847
9教養娯楽 26,192 26,702 28,879
10その他 45,487 46,874 60,272
B非消費支出 67,738 87,729 98,402
C予備費 38,100 42,000 55,300
最低生計費(税抜き)A+C 419,175 462,094 609,134
D同上(税込み)A+B+C 486,913 549,823 707,536
同上(税込み)D×12 5,842,956 6,597,876 8,490,432

 

筆者は30代なので、30代の試算結果を主に眺めてみます。

ニュースでは月48万円強(年収約580万)という数字が独り歩きしてインパクトを残してしまっていますが、税込金額+予備費(実際は貯金の意味合いがあるでしょうか)があることを考慮すると、実際の消費支出は381,075円となります。

気になったので我が家の予算と比べてみました。

各費目 試算 我が家
1食費 112,881 60,000
2住居費 63,542 95,000
3光熱・水道 18,636 25,000
4家具・家事用品 11,520
15,000
5被服・履物 13,095
6保健医療 8,440
7交通・通信 53,185 25,000
8教育 28,097 25,000
9教養娯楽 26,192 20,000
10その他 45,487 65,000
合計 381,075 330,000

我が家は持ち家なので、ローン支出(固定資産税含む)が多く、試算の1.5倍程度になっています。水光熱費もこれに合わせて高くなっている感じですね。その代り、食費や交通・通信費にかかる部分で大幅にお金がかかっておらず、これによって試算よりも少ない支出で済んでいます。

食費に関してはカロリー計算で試算されているからで、1日に必要なカロリーと栄養群を考慮したバランスの良い食事をすると、このくらいかかるそうです。筆者は子どもがもう1人いますので、実際はもう2万円弱はかかるようです。我が家の予算は大幅に少ないですが、子どもにはちゃんとしたものを食べてもらいたいという気持ちもあるものの、そうはいっても好んで食べるのは炭水化物ばかりで、結果的にあまりお金がかかっていないという事もあります。

交通・通信費については、自動車所有の有無で大きく変わりそうですね。上記試算のうち、自動車関連の支出は36,555円となっています。中古を買う前提でこれなので、やはり車は金食い虫ですね…。我が家は12,000円程度ですが、月々のガソリン代の試算が1万円のところ5,000円弱、駐車場の試算5千円のところ無料、再取得経費を考慮していない分安くなっています。ただ、最近これではダメだなと思って、再取得費用は地道に積み立ててます。

通信費は1万7千円程度になります。我が家はまだ子どもがスマホなどを持ってないので、月々夫婦の携帯+ネット料金などで13,000円程度とあまり変わりません。

家具・被服などの予算は別途とっていないのですが、お小遣いで各自やりくりするスタイルなので、その他に含まれているとみることもできますね。そうするとかなり近しい感じになりそうです。

 

試算から考える中流家庭の今後

さて、この試算は巷によくある節約術(1ヵ月10万円生活など)の恵まれた前提条件(持ち家だったり、お米や野菜を送ってもらったり)がなく、我が家の現状からも結構当てはまる部分が多いので参考になります。

そうなると今と比べて40代で+5万、50代には+20万の支出増加が見込まれることに気をつけていく必要があります。50代については増加の半分以上が教育費を占めていて、高等教育費用が家計を圧迫していることが分かります。

今般実施される高等教育の無償化制度についても、年収270万~380万円未満が対象になるので「普通の家庭」はこの恩恵にあずかれません。また、大学費用については今後どんどん値上げされると考えていますので、教育費負担は更に厳しいものになると思います。

気になるニュース:大学無償化(減額)が年収380万円未満世帯へ 大学の学費はこれからも値上げラッシュが続く

 

30代で48万円の収入については共働きでクリアできる水準だと思いますが、50代の70万円は厳しいでしょう。賃金の上昇が見込めない日本では尚更です。「普通の家庭」で奨学金なしに学費を支出しようとすると、それまで貯めた貯金をほとんど取り崩してしまうことになりかねず、子どもが独り立ちした時点の年齢によっては老後資金を貯めることも困難になってしまうかもしれません。

もはや普通に働いて、そのお給料だけで普通に生活することはできない状態にあると思います。

最近サボり気味であまりできてませんでしたが、「普通の家庭」であってもコツコツと資産形成をする必要性があるなとしみじみと感じました。

資産運用は必要か?私が投資を始めた理由と得られた教訓

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA