私大職員の福利厚生について

私大職員を目指されている方の多くは、給与や休日の多さ、残業の少なさなどの本務のコスパを重視されているかと思いますが、意外と馬鹿にできないのが「その他の福利厚生」です。こうした制度は、最近ではフリンジ・ベネフィットと呼ばれ、企業が従業員に対して給与や賃金以外に経済的利益を提供するものを指すそうです。

個人的に、大学職員はこうしたフリンジ・ベネフィットがすごい!と思っていますので、記事にしてみたいと思います。給与や休日以外にも、大学職員になるメリットは満載です。

 

施設費をとるのは伊達じゃない!大学施設はお得がいっぱい

ほとんどの大学では、学生から授業料以外に、施設費や教育充実費などの名目で施設利用料を徴収しています。

実際のところはお金を色分しているだけで、そこから施設関係の経費を支出する…なんてことはないのですが、多くの大学では、これらを徴収するに値するほどの場の提供をきっちりやっています。学生のころ、よく「大学は使い倒したもの勝ち」と言われたのですが、ほんと、その通りだと思います。

 

スポーツジムも顔負けの体育施設

大学は運動場などの施設を保有しなければならないと法律で定められていますので、多くの大学で体育施設を完備しています。規模にもよりますが、そんじょそこらのスポーツジムにも引けをとらないレベルで器具が設置してあることもしばしば。

私も1年間ほどジムに通いましたが、それから自分の所属する大学(中規模)の施設を見ると、機材に関しては全く劣らないレベルで完備してあります。他にもプールやシャワー、サウナなどもありますので、学生とバッティングすることを厭わなければ、職員はタダでこれらを使い放題にできるわけです。通い放題のジムだと月1万円程度はしますので、通っている人には嬉しいと思います。

 

医療費削減?困ったときに助かる保健室

大学時代に保健室に行った人はあまり多くないと思いますが、もちろん、きちんと設置してあります。

基本的には学生の怪我や病気に対応するためですが、もちろん、そこで働く従業員である教職員の健康管理も保健室の仕事です。

頭痛がひどい時のロキソニン、肩凝りや腰痛対策の湿布など、日常で使う簡易的な薬・医薬品は無料で処方してもらえますし、定期的にやってくる校医に簡単な診断をしてもらうこともできます。こうした費用も積み重なると馬鹿になりませんので、福利厚生の一つと言えるでしょうね。

 

リーズナブルな価格で満足なランチを

大学といえば学食の思い出がある方も多いかもしれません。

大学の学食は基本的に、学生に「リーズナブルに食事を提供する」ことを基本にしていますので、コスパがいいことが多いです。オフィス街では、ワンコインでは移動販売の安めのお弁当しか買えないと思いますが、学食では満足のいくセットメニューが食べられる場合も結構あります。

こうしたコスパを実現させているのは、大学からの支援です。大学の食堂は繁閑がはっきりしているので、あまり業者が入りたがらないということもあるのですが、その分、出店スペースの無償譲渡や水光熱費の援助などの破格の条件を提示していることも多く、それが価格に転嫁され、安く提供できている場合も多いのです。

学食はもちろん教職員も使えますので、200円安く食べられるだけでも1年で5万円、40年で200万にもなるわけで、意外と見逃せない福利厚生と言えます。志望先の大学がある程度固まったら、一度学食を食べに行くのもありでしょうね。

 

この他、図書館なども一般の市営図書館に比べて蔵書数も多いことがほとんどなので、気軽に利用できる点もポイントでしょう。最近の大学図書館は雑誌や小説も豊富(大学によっては漫画・DVDも)ですし、簡単な英語の本も多いので、子どもの英語学習用に借りることもできます。

このように、大学は利用すればするほどお得になっていますので、それを雇用契約中は使い放題の教職員は、相当に恵まれていると言っても過言ではないと思います。

 

研究は教員だけじゃない!?充実の研修制度

一昔前から、教員向けの自己啓発活動であるFD(Faculty Development)に続いて、職員向けのSD(Staff Development)の充実化の動きが加速しています。

単なる事務屋ではなく、欧米式のAdministratorを目指そう!ということなのですが、それがうまくいっているかはさておき、自分で学習したい!という向上心の高い方には理想的な環境が整っている場合も多いです。

 

研修という名の小旅行にも頻繁に行ける

これは、ある程度「こいつは将来性があるな…」と思われる方しか難しいことではあります。

私はそろそろダメ…かもしれません笑

 

大学は年間を通して、すさまじい数の研修やシンポジウムを催しています。というのも、製品を生み出さない大学が何かしら対外的にPRできることとなると、こうした催しが手っ取り早いからです。

この手の研修・勉強会・シンポジウムは各大学で開催されることが多いので、全国津々浦々で開催されます。

お付き合いでいくこともあれば、関連する業務の部署から若手が駆り出されたりすることもあって、若いうちには何かと遠方に行く機会も多いと思います。私も、あちこち行かせていただき、その地のグルメを堪能できたりと楽しい思い出を作ることができました…笑

 

一般の企業からすれば、何の目的があるのかよくわからない行事に、往復数万円かけて出張させるなんて理解できないと思いますが、大学では一般的な光景です。

出張後に求められるのは、要約すると「勉強になりました。業務に活かしていきたいです。」という名の作文の提出だけなので気軽です。

 

大学は教育機関なので、勉強したいという職員には豊富に支援を行うところが多いです。

私の知り合いも、在勤中に大学院に通って(その間の給与は全額支給の上、大学院費用まで支給)、自らの能力向上に励む方もいます。

私としてはプライベートな時間はなるべくダラダラ過ごしたいので、なんと熱心なことか!と関心して見ているのですが、学生と同じで職員も、大学は使い倒したもの勝ちと言えそうですね。

 

 

職員のその他の福利厚生(フリンジ・ベネフィット)、いかがだったでしょうか。私個人としては、大学は他の業態と比べても、職場環境は相当に良いと言えると思っています。

金銭に絡む福利厚生は大学によるところが多いですが、上で挙げたような例は、特に施設面は大学を見れば何となく分かるので、興味のある大学については、やはり一度現地を訪問してみるのがよいでしょう。

皆様の理想の職場が見つかることを祈念いたします!

 

3 COMMENTS

アバター 匿名希望

こんにちは。私大職員への転職を志望しているものですが、当ブログを非常に参考にさせていただいてます。

一つご質問ですが、中途採用の場合、民間企業での経験年数を換算したうえで大学職員としての給与が決まるのでしょうか?例えば民間8年目30歳で転職なら、大学職員としての給与年齢は4年目26歳…といったイメージです。やはり大学により異なるのでしょうか?

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アバター 中流父さん

匿名希望さま、

コメントありがとうございます。
また、参考にしていただきありがとうございます!

ご質問の回答としては「大学による」が正解ではありますが、公務員と同じく職歴加算されるケースが大半かと思います。
私の勤める大学では、他社での勤務期間・在学期間(大学院)は、職種や分野に関わらず基本的にそのまま職歴換算されてます。また、無職期間や浪人期間は半分を換算します。

職務内容的に専門職を求める!というケースが少ないので、一般的な会社よりは職歴加算に対するハードルは低いのではないでしょうか。

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アバター 匿名希望

中流父さん様

早速のご回答ありがとうございます!大変よくわかりました。

貴学ですと、他社での勤務期間が10割換算されるのですね。ある大学だと2/3換算というのも伺いましたので、やはり換算の仕方は「大学による」ようですね。

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