気になるニュース:定額制を導入する外食店が増加中

THE PAGEによると、多様化するニーズを持つ顧客を囲い込むために、居酒屋や喫茶店などでお酒やコーヒーが期間中飲み放題となる定額制を導入する店舗が増えてきた、という記事が載っていました。
ネット中心の定額制、リアルビジネスでも価値観多様化で顧客囲い込む手段に Yahoo!ニュースへのリンク)

今回はこれについて考えてみます。

 

定額制に潜む罠

私はお酒が大好きで“飲み放題”と聞いただけで胸がときめきますが、飲み放題では飲みすぎた結果、強烈な二日酔いに襲われるという経験を何度もしてきました。他にも、食べ放題の焼肉店などでは、食べ過ぎて、満足感よりも気持ち悪さが勝る…ということもザラにあります。

こうした定額制にみられる過剰摂取については、「払う金額は一緒なんだから食べ(飲ま)なきゃ損」という心理が働き、そのために判断能力が鈍り、不必要なものまで摂取してしまうというパターンが多いのではないでしょうか。食事、特に外食はエネルギーの摂取以外にもエンターテインメントとしての要素もありますから、食べ放題で“過剰摂取することの満足感”が満腹感に勝る(ケースが多い)、ということもあるかもしれません。

このように考えたとき、冒頭紹介したような定額制のサービスを利用するならば、本当に必要なのかを今一度検討すべきだと思います。
例えば、アンドモア株式会社は、3,000円で1ヵ月飲み放題(1日1回・2Hまで・2品以上注文)というサービスを提供しています。通常、飲み放題は安くても1,000円程度かかることが多いので、1ヵ月に4回いけば、割安に利用できるということになります。

ところで、1ヵ月に4回というのは、週1回ということです。そんなに頻繁に居酒屋に、しかも同じところへ行くかどうか。
また、食事代として2品注文とお通し代を考えれば、最低でも1,000円は下らないと思います。お酒に酔って判断能力が鈍れば、もっと注文してしまうかもしれません。(業者としてはそれが狙いでしょう)
それだけのお金を払うのであれば、定食屋で十分な食事がとれそうですし、スーパーの弁当と缶ビールみたいな組み合わせの方が安上がりではないか。
定額制サービスを利用するなら、こうしたことを考慮しなければならないでしょう。

もちろん、食べ放題や定額制を手放しに否定する訳ではありません。
我が家では子どもが3人いますが、食べ盛りになったとき、金銭的な理由から恐らく普通の焼肉屋に行くのは難しいのかなとも思います。
他にもその居酒屋の常連で、毎日のように利用しているのであれば、定額制は強い味方になるはずです。

私が主張したいのは、食べ放題や定額制の利用の判断をするときは、自分や家族の生活スタイルに応じて決めるべきで、システムに自分のスタイルを合わせるのはよくない、ということです。

 

こうしたシステムはどんどん増えていくと予想

定額制は最近流行りだしたシステムですが、考え方はそれほど新しいものではないと思います。
身近なところではスーパーなどのポイントカードも顧客の囲い込みのための手段ですし、大手寿司チェーンの「くら寿司」では、5皿ごとにガチャポンができるため、5の倍数まで食べさせるという過剰摂取を促す仕掛けがあります。

背景には、人口が減少して消費が頭打ちになっている日本市場の現実があると思います。
新しい需要が見込めなくとも、企業は継続して成長していかなければなりません。そこで、定額制などの囲い込みによって既存顧客からの利益の最大化を図る企業は、外食に限らず非常に多い-楽天やKDDIなども、あらゆるサービスを提供して会員から色んな場面でお金をとっていく、という方針だと思います-と思いますし、今後ますますこうしたシステムが普及するのではないかと思います。
そんなとき、見せかけのお値打ち感に惑わされず、本当に必要なものだけを選択できることが、重要かなーと思っています。

 

中流家庭は、貧困とまではいかないため、気を抜くとすぐ散財してしまいがちだと思います。
なるべく気を引き締めて、浪費には敏感になりたいですね。

 

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