スーパーのパーキングで行事利用者の駐車を拒むときに感じるモヤモヤ感について

先日、子どもの学校の運動会に参加したときの話です。

その学校は駅から離れているため多くの方が車で来場していましたが、学校側が用意する駐車スペースでは前後左右の車間がほとんどないほどきちきちに詰めて停めるよう指示されます。
つまり一度停めると前の車がどかないと出られないため、必然的に最後まで残る必要がありました。

 

しかし、当日私たちはどうしても外せない用事があり、早めに切り上げて帰る必要があったため、やむなく最寄りのスーパーのコインパーキングに駐車することにしたのです。(車が必要な用事だったため、タクシーの利用はできませんでした。)
ここは大手パーキング会社に管理を委託しており、スーパー利用者は〇時間無料などのサービスで実質駐車料金はかかりませんが、それ以外の利用者は料金が発生する仕組みです。

早速、そのコインパーキングに駐車しようとすると、学校から委託を受けたという警備員さんから、運動会目的での駐車はできません、と拒否されてしまいました。
その理由は、行事目的の長時間の駐車はスーパー利用者の迷惑になるから、という理由からでした。
出庫時に飲み物でも買おうと思っていたため、その旨伝えましたが、運動会へ参加するなら不可、とのことでした。

幸いにも、その後、少し離れたコインパーキングに駐車することができましたが、仕方ないなと思いながらも、何とも釈然としないモヤモヤとした気持ちになりました。

どうしてこのような気持ちになったのか、整理してみました。

 

利用者(私)の視点

私のモヤモヤ感の原因は、以下3つに集約されると思います。
[su_list icon=”icon: circle” icon_color=”#4b55e9″]

  • 例えスーパーの駐車場であっても、時間貸しにしている以上は、どのような目的で駐車しても問題ないのではないか
  • スーパー側の人間が拒否するのはまだわかるが、学校側の人間か拒否するのはどういった権限からか
  • 長時間の買い物利用客との差は何か
[/su_list]

一つ目が根本だと思います。
正直なところ、これがスーパー専用の駐車場であれば、当然モヤモヤは起きなかったと思いますし、そもそも駐車しようとも思いませんでした。

二つ目は、駐車場の利用とは貸主と借主の契約だと思いますが、何の権限も持たない第三者が、どうして契約の無効を主張できるのか、という点です。

最後は、買い物を行う旨主張しているにも関わらず、拒否された事への違和感です。例えば、買い物後しばらく休憩してから出庫する人や、長時間かけて買い物する方などといったケースと比べて、どのような差があるのか、ということです。

当日はまだ早朝でスーパーも開店しておらず、私たちも午前中には出庫する予定でしたので、開店後1時間もしないうちに出庫することになりそうでしたから、余計にこのような思いが芽生えたのだと思います。

 

学校側の視点

上記のモヤモヤ感のうち、2つ目、3つ目は関係者であることから全く理解できない訳ではありません。

2つ目について、学校での行事は多くの人が集まるため、近隣への配慮が欠かせません。
特に最も多いトラブルがこの駐車に関するものなので、大学でも近隣のコンビニなどに無断駐車しないよう警備員を派遣することはあります。

今回の学校側の行動もこの配慮に基づくものと思われますが、利用客が限定されている駐車場ならまだしも、本来自由に駐車できるはずのコインパーキングを、所有者の意思ではなく学校側の意思で利用を制限することは、私ならうまく説明できそうにありません。

そもそもを言えば、コインパーキングを利用しようとしている人に対し、その進路を阻み、利用目的を聞き取りする行為自体が、一体何の権限に基づくものかと主張されると、もうお手上げです。

3つ目の点については、一つを許すと全てを許さなければならなくなる、という学校でもよく使う方便があるからです。
今回の事例では、運動会目的でないという“0”か、運動会目的である“100”かで判断しないと、基準があいまいになって何でもありになってしまいがちです。運動会利用者でも、片方の親は買い物する、とか、今回のように帰りに買い物するなど、30?50?みたいなものはすべて却下するのが安全という訳です。

 

スーパーの視点

利用者(私)からすると、今回の件でモヤモヤを抱えることとなりましたが、駐車の制限については、スーパーは可能な気がします。
そもそも、当該駐車場はスーパーの所有地であり、常識的な範囲内で利用制限をするのは自由だと思うからです。

今回のケースでは、日常の水準を大幅に上回るスーパーを利用しない駐車が予見できること、そしてそれが非日常的な行事に起因するものであることを考慮すると、スーパー側が暫定的な利用制限することの理由としては十分でしょう。

もしかしたら、看板などに「祭事等により、スーパー利用者の利用を著しく損ねる可能性があると判断した場合は、駐車をお断りすることがあります。」みたいな文言があったのかもしれません。そうなると完全にOKですね。

 

まとめ

今回の事例では、法的な側面では、駐車制限についてはスーパーに分がありそうです。

ただ、今回のモヤモヤの原因は、もっと感情的な理由で、“スーパー側が駐車場管理を楽にし、あわよくば時間外にも利益を出すためにコインパーキング化しているのに、都合の良い時だけ駐車を拒否するのは虫が良いのではないか”というものがあると思います。

そして学校関係者として本件から得られる教訓は、第三者である学校側が不当に介入しすぎているケースがあるのではないか、ということです。
学校ではこういったケースでは、“公共の利益”という説明によって納得していただくという、ある種の性善説に基づいた対応になっていますが、明確な権限などを持ち出された場合、どうしようもないということがあると思います。

今流行りとなっている、大学での“危機管理”の問題の一つとして、考えてみるのは必要かもしれません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA