私大職員の待遇を調べてみた:青山学院大学 編

今回は、おしゃれな大学の代表格(というイメージ)である青山学院大学です。青山キャンパスは最寄駅が表参道駅と渋谷駅という好立地で、それだけで受験生を獲得できそうな勢いです。設置法人が高校以下の学校を設置することはよくありますが、そのすべてが同一キャンパスに置かれているのは珍しいですね。少し足を延ばせば全く年齢層の異なる人と触れ合える環境にあるというのは教育的にとてもよいと思います。エスカレーター率も上がるでしょう。

その他、青学は箱根駅伝の強さが際立っていて有名ですが、こうした代表的なスポーツ部やライバル校(早慶戦など)があるかどうかというのも、実は大学間序列に少なからず影響があると思っています。日大アメフト問題の際には、原晋監督が大学スポーツに関するコメントをしながら、青学のいいイメージをPRし続ける役割も果たしており、効果的な広報だなぁと感心したものです。そんな青学ですが、果たして職員の待遇はどのような感じなのでしょうか。

 

 

独断と偏見による総合評価

休日 給与水準 将来性 総合評価
A

・×は1点、△は2点、○は3点、◎は4点。
・合計11-12点→S評価、9-10点→A評価、7-8点→B評価、5-6点→C評価、3-4点→D評価。
・その他様々な理由で増減あり。

以下で詳しく見ていきます。

 

基本データ

大学名 青山学院大学
大学公式HP https://www.aoyama.ac.jp/
学部学生数 16,320人(男8,837・女9,069)
専任教職員数 850人(教員510名・職員340名)
ST比・SA比 ST比 1:33 SA比 1:48
人件費率 53.6%
資産額 約1,725億円(内、流動資産138億円、特定資産438億円)
負債額 約255億円(内、借入金等66億円)
寄付金等収入額 約10億9,600万円
私立大学等経常費補助金額 約22億1,533万円(全体26位)

・青山学院大学ホームページ「情報の公表」より。
・寄付金額は2017年度事業活動収支計算書より。
・私立大学等経常費補助金額は私学事業団ホームページより。(平成29年度分)

 

職員待遇に関するデータ

年間休日日数 125日程度(日曜・祝日 土曜隔週 夏季・冬季休暇)
勤務時間 9:00-17:00 / 9:00-13:00(週実働35‐38時間)
22歳(学部新卒)年収 約396万円(月給20万7,200円、賞与6.32ヵ月+162,500円)
24歳(修士新卒)年収 約446万円(月給23万4,600円、賞与6.32ヶ月+162,500円)
30歳モデル年収 約590万円
35歳モデル年収 約750万円
45歳モデル年収 約920万円

・青山学院大学ホームページ、各種転職サイト等より。

 

競争力に関するデータ

偏差値 71~68
入学定員充足率 0.96
収容定員充足率 1.10
初年次退学率 0.9%((3.6%~0.0%)
就職率 93.6%(就職3,230人/(卒業3,772人-進学321人)
有名企業就職率 30.9%(全体18位・私学6位)/昨年29.0%(全体23位・私学10位)

・偏差値は進研模試ホームページより。
・入学定員および収容定員充足率、退学・就職率は青山学院大学ホームページ「情報の公表」より。
※4年間退学率データの算出が不可能なため、初年次退学率を掲載
・有名企業就職率は大学通信「「有名企業への就職率が高い大学」ランキング」より。
※これまで昨年度結果から引用

 

コメント

青山学院大学は、組合資料がネット上であまり見つけられず、モデル年収を提示見つけることができませんでした。教職員組合のサイトもログイン式になっていて(当たり前ですが)、中身を見ることはできません。

 

基本給・賞与、各種手当について

公式の採用ページに掲載されているのは、学部・院新卒のそれぞれの初任給で、それぞれ207,200円・234,600円となっています。これには住宅手当(非世帯主一律額)の16,900円(額はマイナビに掲載)が含まれているので、基本給は学部新卒で190,300円、院新卒で217,700円ということになるでしょうか。

基本給だけ見れば、一般的というか、あまり高くはありませんね。ちなみに世帯主だと住宅手当は23,400円になるので、その場合月給が学部新卒で214,700円、院新卒で242,100円になりそうです。

例によって学歴による給与テーブルの違いがないことが多い大学業界の慣例に従えば、学部新卒と院新卒の2年間はまるまる昇給額といってよく、その額は13,700円/年ということになります。これも待遇の良い大学からすれば妥当な水準です。

その他の数値は信憑性の高い公式ページは組合データを見つけることはできませんでしたが、転職サイト(en転職)に、技術者対象の採用情報を見つけることはできました。他大学はわかりませんが、私の所属する大学でも技術職はいますが、待遇の違いはありません(弁護士や公認会計士資格などをもっていても違いはありません。それはそれで問題なきもしますが…)。各種手当を見る限り、住宅手当の額なども一致していますし、概ねこれに準じているといっていいと思います。

ということで、これによると賞与は年間6.32ヵ月+162,500円。なかなかの数字です。その他、扶養手当として配偶者20,000円、子ども一人につき9,200円という数値もありました。これも固そうです。

上記のモデル年収はen転職からの転載ですが、年13,700円ペースで昇給したとすると、約25万円ずつ年収が上がっていく計算です。22歳の年収見込みに25万×8年の200万円を足すと596万になるので、30歳モデル年収は配偶者などは考慮せずに算出された額と言えそうです。

35歳モデル年収は+160万になっていますが、昇給額25万×5年では説明がつきません。そもそも昇給額は鈍化するのが一般的なので、ここには扶養手当および住宅手当の増額(世帯主)または役職手当が考慮されているものと考えられます。

前者の場合、配偶者手当で366,400円、住宅手当で137,400円の計50万円ほどの年収アップが期待できます。残る110万が昇給額とすると、12,000円/月くらいになるので、鈍化のペースとしてはそのくらいな気もしますね。

何となく、もうちょっとありそうなイメージも確信もあるのですが、確証がありませんので、年収予測はこのような感じになると思います。私の場合子どもが3人いますので、35歳だとすると800万オーバーになる計算ですね。すごいです。。が、明治などに比べると100万円以上マイナスですし高いとはいえ、MARCHの中では低い水準にあると言えそうです。

 

休日・将来性、その他について

休日は土曜勤務があります。これはマイナスです。ただ、転職サイトで年間休日数を125日程度としているので、これが事実なら十分と言えそうですし、明治と同じく振替休日がある可能性があります。ただ、ここの場合は夏期休暇日数20日(個人の裁量でとれる特別な有休のようなものです)を加算している気もするので、実質は休めない!みたいなことがあるかもしれません。

将来性について、本来はこの部分を細かく検証する必要があるのですが、個人的に早慶上理、ICU、GMARCH、関関同立、南山、西南学院あたりまでの総合大学については、将来性を考える必要はないくらい安定していると考えています。もっといえば、その一つ下くらいまでも余裕だと思うのですが、この辺はまたの機会にしたいと思います。

ということで、簡単に言えば、好立地に志願者安定、高偏差値、高女子比率と高社会的評価がある上に財務面も安定しており、将来性はバツグンということです。有名企業就職率も私学で6位と躍進していますし、評価も高まっている証左だと思います。

 

以上、土曜勤務がある点がマイナスで、給与面が同列大学にやや劣るということで、A評価としました。

 

*上記評価等は個人的価値観に基づく評価付けであり、大学自体の優劣を論じるものではありません。

 

 

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