台風24号が近づいています。甚大な被害をもたらした台風21号と同規模とされているだけあって、近所のスーパーでは食料を買いこもうと長蛇の列ができていました。私もそんな中の一人なのですが…笑
今回は他の職業よりも台風に敏感な方である(?)、大学職員の台風感について書いてみたいと思います。
台風で休むのは“当たり前”になってきた
一昔前までは、大人になると台風ごときで休むなんて…と職場に行くのがどこか普通な感じがしましたが、最近は休まないことが誇りであるかのような公共交通機関ですら計画運休を発表するなど、世間の台風に対する見方が変わってきたように思います。
これはこれでとてもよい方向性ですよね。東日本大震災の直後には、線路の上を歩いて出勤するサラリーマンの姿が報道されて世界にショック(そりゃ過労死も起こるよ的な)を与えましたが、ようやく「こんなときくらい休もうよ」という空気が醸成されてきたのではないでしょうか。もちろん、最近やたら耳に残る“記録的”な天災が影響しているのもあると思います。
ところで、こうして会社が休みになった場合は、恵まれた職場なら有給とは別の特別休暇、そうでなくても消化しにくい有給休暇によって休めてラッキーとなるところですが、大学ではそうはいかない場合が多いです。
それは以前、大学職員の休日事情を紹介した際に書いた授業日数保証の問題があるからです。
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現場の大学職員にとって台風は超迷惑なヤツ
大学は、文部科学省によって1単位付与のために必要な授業時間数が定められているため、祝日(特に月曜)に授業をするケースが多いことを書きました。これは主に長期休暇(学生の留学や実習期間となるだけでなく、教員の研究期間等)を確保するためですが、ただでさえギリギリのカリキュラムを組んでいるところへ、台風によって休校になった場合は、補講をしなければならなくなります。
この補講手配が、学生現場、特に教務系に配属された職員にとって大変です。
学生からは膨大な量の公認欠席処理を要求されますし、補講日は基本的に固定で決めますが、あらかじめ予定の入っている教員もいますから、その代替策を検討したりと、台風がこなければやらなくてよかった仕事がどっと増えます。企業ももちろん台風で仕事が停滞することの影響はあると思いますが、大学では1日潰れたら別の日に全て再調整しなければならないため、その日の仕事に加えて再調整と補講日の仕事が純粋にオンされるため、とても厄介なのです。
余談ですが、大学教員は大学職員と違って時給で働いていない(裁量労働制)ので、振替休日のような概念がないですし、土曜などの休みに出てくることは極端に嫌がる人も多いです。反対に、ずっと大学にこもってるような人もいて色々です。ですが、こういう嫌がる人が声が大きいことが多いので、教務系は教員のご機嫌を常に伺いながら調整することになります。これもまた、ストレスの元になりますね…。
ちなみに、学生はのんきなもので、台風で休校になると大喜びしますが、高校生以下と違って、補講によって結局大学にくるハメになりますし、むしろ台風で缶詰になる+遊べる土曜日や日曜日に補講になることで休日も潰れる、というダブルパンチであることはあまり理解していないようです笑
台風にまつわるエトセトラ
台風襲来時の交通各社やお店の営業有無は各社の判断によってマチマチですが、大学の場合は概ね、大学所在地に暴風警報が発令されたら、その時間によって以後の休校の有無を判断することが一般的ではないでしょうか。
例えば、午前7時の時点で発令→全日休校、午前11時の時点で発令→午後休校、といった具合です。めんどくさいのが授業時間中に発令されることで、授業時間があと少しならやってしまうこともありますし、そうでない場合は「今日はもう終わり!」となることもあります。むしろ、大学にいたほうが安全かとは思いますが、帰れなくなったら大変ですからね。
他にも、所在地には発令していなくても、隣接地域で発令されるケースは結構あり、そこから通学している学生も多いため、こうした対応はケースバイケースになります。その地域出身の学生は公認欠席にして帰らせるケースもあれば、「もういいからみんな帰れ!」と教員が言っちゃうケースもあります。自律的に運営できていると言えなくもないですが、逆に組織としての統制がとれてないので、これはこれでちょっと問題かもしれません。
こうした台風による休校基準は、入学時に学生向けに説明(ガイドブックなどで)されていると思いますが、面白いのが、“台風を伴う”暴風警報であることが条件になっているケースが多いことです。
つまり、台風が来ていない時に暴風警報が出ている、というケースでは休校にならないことが多いのです。もちろん、学校長の判断で休校にするケースはあるかと思いますが、暴風警報=休校とはならないことに注意が必要ですね。
他にも、学生部門に配属された場合は、被害地域の学生への連絡や、被害状況によっては奨学金や授業料減免の相談など、新たに発生する仕事もありますし、就職関係に配属された場合でも、イベントやセミナーの再調整が必要など、台風は本当に大学にとって厄介な代物です。8月から9月という、一斉休暇期間に数が多いことが唯一の救いでしょうか。
ということで、大学職員にまつわる台風事情を書いてみましたが、いかがだったでしょうか。
とにかく、学生現場の大学職員にとって台風=厄介者!ということが伝われば幸いです。ただまぁ、管理部門にいけば、台風=休める!というものに認識が変化しますが…笑
こうした現場部門と管理部門の違いみたいなのも、そのうち記事にできればと思います。
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