私大職員の待遇を調べてみた:上智大学 編

早稲田や慶應と並ぶ難関私大と称される上智大学の待遇を調べてみました。
以前ここの学生と関わる機会があったのですが、語学系学科の専攻が本当に細分化されていて「これぞ専門だなぁ」と驚いた覚えがあります。
キリスト教系の大学は大学名の英語表記が独特であることが多いのですが、ここは“Sophia”。ギリシア語で「叡智」を意味するそうです。なんとも哲学的な名前ですね。

そんな上智大学、職員の待遇はどの程度なのでしょうか。

 

 

独断と偏見による総合評価

休日 給与水準 将来性 総合評価
A

・×は1点、△は2点、○は3点、◎は4点。
・合計11-12点→S評価、9-10点→A評価、7-8点→B評価、5-6点→C評価、3-4点→D評価。
・その他様々な理由で増減あり。

以下で詳しく見ていきます。

 

基本データ

大学名 上智大学
大学公式HP https://www.sophia.ac.jp/
学部学生数 12,575人(男5,221・女7,354)
専任教職員数 831人(教員453・職員378名)
ST比・SA比 ST比 1:28 SA比 1:32
人件費率 52.5%
資産額 約1,491億円(内、流動資産84億円、特定資産520億)
負債額 約264億円(内、借入金等126億円)
寄付金等収入額 約4億3,673万円
私立大学等経常費補助金額 約23億9,134万円

・上智大学ホームページ「情報公開」より。(2017年5月1日時点)
・財務情報はすべて学校法人上智学院のデータ。
・寄付金額は2017年度事業活動収支計算書より。
・私立大学等経常費補助金額は私学事業団ホームページより。(平成29年度分)

 

職員待遇に関するデータ

年間休日日数(推定) 130日程度(土日祝、夏季年末年始計10日程度、クリスマス休暇等)
勤務時間 9:00-17:00(週実働35時間)
22歳(学部新卒)年収 約371~400万円(月給22万8100円、賞与4.25~5.25ヵ月程度)
24歳(修士新卒)年収 約397~422万円(月給24万4500円、賞与4.25~5.25ヵ月程度)
30歳予想年収 約494~524万円(月給30万4000円、賞与4.25~5.25ヵ月程度)
退職金情報 35年勤務で47ヶ月~57ヵ月(退職時本俸55万で2,585万~3,135万)

・上智大学ホームページ「教員・職員等採用案内」、組合資料等より。

 

競争力に関するデータ

偏差値 75~68
入学定員充足率 1.04
収容定員充足率 1.12
退学率 5.9%~1.7%
就職率 81.3%(就職2,431人/(卒業3,376人-進学385人)
有名企業就職率 38.3%(全体4位・私学2位)

・偏差値は進研模試ホームページより。
・入学定員および収容定員充足率、就職率は上智大学ホームページ「情報公開」より。
・退学率は読売教育ネットワーク「大学の実力」より。(学部単位)
・有名企業就職率は大学通信「「有名企業への就職率が高い大学」トップ200」より。

 

コメント

上智は賞与の倍率だけでなく、手当の有無まで開示してくれているので、新卒年収はかなり正確に予測できます。
採用ページに記載の通り、家族手当や住宅手当がないと断言されている上に、賞与もやや低めの4.25ヵ月~5.25ヵ月となっており、超高待遇という訳ではありません。しかも、2010年時点のマイナビの募集データでは、賞与は4.35ヵ月~5.35ヵ月となっていたので、この間に0.1ヵ月の引き下げがあったものと思われます。

 

基本給と賞与、各種手当について

基本給に関する組合資料が見つけられなかったので、年齢別の予想年収は算出が困難です。このように手当で全体を底上げしない場合は、俸給表自体を昇進等によって変えたり、さらっと書いてある役職手当で差をつける給与体系であると予想します。

俸給表による差は大学によって様々で、最上位と最下位で±20%程度で納まるところもあれば、約2倍になるようなところもありますので、安易な予想ができません。

役職手当は、一般的に2~10万/月程度の役職手当が多い印象ですが、これらは賞与の算定基礎にもなるので、年収ベースでいえば結構な差になってきます。

 

休日について

休日については土曜日もお休みですし、年末年始や夏季も十分なお休みがとれそうです。

キリスト教系の大学でも、クリスマスを休暇にしているところはそんなに多くないイメージなので、生粋のキリスト教系大学とといったところでしょうか。
採用ページでは、平均有給取得日数(年間)が14日となっていたので、実質的に150日弱休んでいる計算になりますね。うらやましい…。

 

将来性・その他について

あまり待遇的にはよくないように見える上智ですが、教職員数が多く、手厚い教育体制を整備しているのが理由の一つでしょう。それはそれで、将来的には競争力につながりますから、早慶に次ぐポジションはそうそう揺らがないような気もします。現に、就職先でいえば早稲田よりも評価が高いですからね。

また、上智も女子学生の方が多い大学です。大学名も女性名詞だからか、その傾向がもともとあるのかもしれませんが、大学業界において女子学生獲得は至上命題(特に中堅以下の大学をみると、女子学生の割合は少ないのに、まるで女子大かのようなホームページがよくみられます)であり、女子学生比率が高い大学はこの先も安定した志願者を確保できそうです。早慶は男性が多いですから、この点で差別化されていると思います。

 

以上から、給与面でやや心配な部分はありますが、休日も多く自分の時間を確保しやすいこと、早慶レベルのマンモス大学なのに女子学生比率が高いことを考慮し、A評価としました。

 

*上記評価等は個人的価値観に基づく評価付けであり、大学自体の優劣を論じるものではありません。

 

 

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