私大職員の待遇を調べてみた:早稲田大学 編

慶應義塾大学と私学の双璧をなす早稲田大学の待遇を調べてみました。
ホームページを見るとすぐわかりますが、一昔前に“早稲田”から“Waseda”へと謳っていた通り、グローバルを意識したつくりになっています。
早稲田は私学の中で2校しかないSGU(スーパーグローバル大学)のトップ指定校ですから、戦うステージが我々の大学とは違います…。(もう1校は慶應)

そんなハイレベルな私大の筆頭格であるWasedaですが、職員の待遇はどの程度なのでしょうか。

 

 

独断と偏見による総合評価

休日 給与水準 将来性 総合評価
S

・×は1点、△は2点、○は3点、◎は4点。
・合計11-12点→S評価、9-10点→A評価、7-8点→B評価、5-6点→C評価、3-4点→D評価。
・その他様々な理由で増減あり。

以下で詳しく見ていきます。

 

基本データ

大学名 早稲田大学
大学公式HP https://www.waseda.jp/top/
学部学生数 41,333人(男25,813・女15,520)
専任教職員数 2,659人(教員1,870・職員789)
ST比・SA比 ST比 1:33.5 SA比 1:52
人件費率 49.0%
資産額 約3,703億円(内、流動資産375億円、特定資産等991億)
負債額 約594億円(内、借入金等80億円)
寄付金等収入額 約26億1,647万円
私立大学等経常費補助金額 約92億4,079万円

・早稲田大学ホームページ「情報公開」より。(2017年5月1日時点)
・寄付金額は2017年度事業活動収支計算書より。
・私立大学等経常費補助金額は私学事業団ホームページより。(平成29年度分)
・教員数には大学院専門、研究専門の教員も含まれているため、ST比はやや高くなっています。

 

職員待遇に関するデータ

年間休日日数(推定) 135日程度(土日祝+夏季5日・年末年始休暇8日・半日休暇3日)
勤務時間 9:00-17:15(週実働35.75時間)
22歳(学部新卒)年収 約460万円~(基本給22万3420円、住宅手当32,000円、賞与6ヵ月程度)
24歳(修士新卒)年収 約504万円~(基本給24万8140円、住宅手当32,000円、賞与6ヵ月程度)
30歳予想年収 約730万円(月給39万(各種手当7万)、賞与6ヵ月程度、+α)
35歳モデル年収 約888万円
45歳モデル年収 約1,100万円
退職金情報 35年勤務で45ヶ月(退職時本俸60万円で2,700万)

・早稲田大学ホームページ「教職員採用ページ」、各組合データ等より。
・※配偶者・子ども一人の予想年収です。計算ロジックはコメントを確認願います。あくまで“予想”です。

 

競争力に関するデータ

偏差値 82~69
入学定員充足率 1.02
収容定員充足率 1.16
退学率 4.5%~1.2%
就職率 88.0%(就職6,943人/(卒業9,808人-進学1,916人)
有名企業就職率 37.3%(全体7位・私学4位)

・偏差値は進研模試ホームページより。
・入学定員および収容定員充足率、就職率は早稲田大学ホームページ「情報公開」より。
・退学率は読売教育ネットワーク「大学の実力」より。(学部単位)
・有名企業就職率は大学通信「「有名企業への就職率が高い大学」トップ200」より。

 

コメント

早稲田は待遇に関する情報があまりオープンでなく、特定年齢のモデル年収というものが公開されていません。
したがってここからは、かなり予想の領域になりますので、ご注意ください。

基本給と賞与、各種手当について

大学職員は学士と修士で給与テーブルを分けることはあまりなく、学部新卒の22万3,420円と修士新卒の24万8140円の差は、単純に年齢給であることが理由であると思われます。そうすると、2年で12,360円ずつで昇給している計算になります。

組合が提示する35歳時点年収は、配偶者+子ども二人で計算されることが多く、恐らくこの給与水準だと役職は算定に入っていません。35歳の推定月給を38万円(12,000円程度ずつ昇給)とすると、10万程度の手当がないと辻褄が合いませんので、扶養手当は、配偶者25,000円、子ども15,000円程度を予想します。

これでもややモデル年収には届かないので、賞与が6ヵ月以上or一律額が20万程度あったり、別の手当て(研修のための費用など)として一律15,000円程度支給されているのかもしれませんね。大学は横並びを好む文化があり、この水準の各種手当、賞与の一律額などは待遇の良い大学ではかなり似通っている印象があります。

以上が正しければ、新卒(配偶者なし)でも年収は+30万弱が見込めます

休日について

休日面でも、完全週休二日で年末年始や夏季も長期の休みがあり、半日休暇という独自の制度もあるなどかなり手厚くなっています。勤務時間も先にみた慶應より1日15分短い7時間15分で、時給換算すると早稲田の方がかなり高くなりそうです。

高待遇の理由は恐らく専任職員数で、なんとSA比が看護職を除いた慶應の2倍以上あります。かといって専任職員が2倍働いているわけではなく、恐らくその分を業務委託や臨時職員などで穴埋めしているものと思われます。専任職員で入るのは狭き門ですが、採用されれば高待遇が期待できそうですね。

将来性・その他について

肝心の将来性ですが、慶應と並ぶくらいのブランド力があり、志願者数や就職先の水準などもぴか一で問題ないでしょう。驚いたのはこれほどのマンモス校なのに、退学率が極めて低い水準であることです。これは、中堅以下の大学からしたら垂涎ものでしょう。

ただ、まったく死角がないかというとそうでもなく、近年は給与水準の見直しが行われそう(た?)とのことです。

これら待遇が改悪される可能性があることは心配ですが、それはどの企業にも言えることです(ただ、大学の場合は、給与が上がる見込みがほぼないのが悲しいところですが…)。

よって、すべての項目で高評価であり、総合評価はSとしました。

 

*上記評価等は個人的価値観に基づく評価付けであり、大学自体の優劣を論じるものではありません。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA