今年最初の待遇情報は、MARCHの一角である中央大学です。中央大学といえば、早慶レベルと言われる名門の法学部が有名ですが、多摩キャンパスの立地や、MARCHのライバル校に比べて新学部設置などの動きがないことなどが取り立たされていたように思います。ただ、ようやく重い腰を上げたのか、26年ぶりとなる新学部(国際経営学部・国際情報学部)の設置に加え、都心キャンパスの開設など矢次の改革を表明しています。
そんな勢いのある中央大学ですが、職員の待遇はどうなのでしょうか。
独断と偏見による総合評価
休日 | 給与水準 | 将来性 | 総合評価 |
△ | ◎ | ◎ | A |
・×は1点、△は2点、○は3点、◎は4点。
・合計11-12点→S評価、9-10点→A評価、7-8点→B評価、5-6点→C評価、3-4点→D評価。
・その他様々な理由で増減あり。
以下で詳しく見ていきます。
基本データ
大学名 | 中央大学 |
大学公式HP | http://www.chuo-u.ac.jp/ |
学部学生数 | 24,581人(男15,272・女9,312) |
専任教職員数 | 1,106人(教員690名・職員416名) |
ST比・SA比 | ST比 1:36 SA比 1:59 |
人件費率 | 55.6% |
資産額 | 約1,845億円(内、流動資産173億円、特定資産605億円) |
負債額 | 約347億円(内、借入金等27億円) |
寄付金等収入額 | 約2億3,909万円 |
私立大学等経常費補助金額 | 約20億3,186万円(全体30位) |
・中央大学ホームページ「情報の公表」より。
・寄付金額は2017年度事業活動収支計算書より。
・私立大学等経常費補助金額は私学事業団ホームページより。(平成29年度分)
職員待遇に関するデータ
年間休日日数 | ??日程度(日曜・祝日 土曜休暇(年間19日) 夏季・冬季休暇) |
勤務時間 | 9:00-17:00 / 9:00-12:00(週実働35‐38時間) |
22歳(学部新卒)年収 | 約401万円(月給19万7,900円、住宅手当25,000円、賞与6.0ヵ月) |
24歳(修士新卒)年収 | 約460万円(月給23万300円、住宅手当25,000円、賞与6.0ヶ月) |
30歳モデル年収※ | 約688万円(月給32万7,500円、住宅手当25,000円、家族手当30,000円、賞与6.0ヵ月) |
35歳モデル年収 | 約919万円 |
45歳モデル年収 | 約1,158万円 |
・各種就職、転職サイト等より。
・赤字は推測です。詳しくはコメントを参照してください。
・※30歳モデル年収は、配偶者+子ども1を想定したケース。
競争力に関するデータ
偏差値 | 74~651 |
入学定員充足率 | 0.96 |
収容定員充足率 | 1.03 |
初年次退学率 | 0.8% |
就職率 | 90.9%(就職4,663人/(卒業5,751人-進学622人) |
有名企業就職率 | 23.2%(全体40位・私学18位)/昨年23.7%(全体40位・私学20位) |
・偏差値は進研模試ホームページより。
・入学定員および収容定員充足率、退学・就職率は中央大学ホームページ「情報の公表」より算出。
・有名企業就職率は大学通信「「有名企業への就職率が高い大学」ランキング」より
コメント
中央大学の待遇情報は、今年度の採用が終了した関係で公式ホームページの採用情報が削除されているため、マイナビなどの就職サイト中心のデータになります。
基本給と賞与について
中央大学職員の基本給は22歳学部新卒で197,900円、24歳修士新卒で230,300円となっています。大学業界では学位によって給与テーブルを変えることは稀なため、この差額は年齢給(2歳分)の差と考えられます。昇給額は16,200円/月程度で、かなり高いベースアップですね。
昇給額は鈍化していくのが一般的ですが、キャリコネによれば32歳職員の基本給が372,000円という情報がありましたので、若いうちは昇給ペースは落ちない(というより増えてる?)と言えそうです。
賞与については、同じくキャリコネのデータから5.97ヵ月程度と算出できました。待遇の良い大学は概ね6ヵ月前後の賞与であることが多いので妥当な水準と言えます。実際は一律額などで算出が複雑になっている可能性もありますが、ここでは6ヵ月程度としておきます。
各種手当について
各種手当として、住宅費補填手当が一律25,000円、家族手当が付与されるようです。
住宅手当は世帯主かどうかや、持ち家・賃貸かどうかで差をつけるケースがありますが、このように一律なこともあります。そして、一律であれば給与テーブルの異なる教職員間でも同じと考えられ、つまるところ賞与の算定基礎になる訳です。これは他の大学の求人情報でも参考にできると思います。
家族手当は算出が難しいのですが、キャリコネ事例の手当45,000円から住宅手当を除いた20,000円が配偶者手当と予想します。子どもはこれより減額されるケースが多いので、10,000円程度といったところでしょうか。
組合資料の35歳モデル年収は919万円ですが、順当に昇給していったと仮定すると、35歳時点の基本給は408,500円程度。大学の35歳モデル年収は配偶者+こども2で計算される事が多いので、各種手当の合計が65,000円とすると、賞与を含めた年収は852万円となります。
差額は管理職手当などが考えられますが、それにしては金額が少ないように思えるため、ヒラ社員は実際はもう少し低い可能性もあります。ただ、いずれにせよ高給であることに変わりはありません。
休日・勤務時間について
勤務時間については、平日は9時17時の実質7時間勤務である点は高ポイントですが、半日とはいえ土曜出勤が年間30日程度あることはマイナスポイントですね。過去の事務室閉室ニュースを見る限り、中央大学は夏季・冬季休暇も特別長い訳ではなさそう(大学の中では)ですので、休日数は少なそうです。
ただ、中央大学では2019年度より14週・100分授業制を全学部で導入予定なので、今後は祝日の振替が減り、その分夏季・冬季の休暇が実質増加することが期待できそうですね。
将来性・その他について
大学の将来性については問題ないと思ってますが、都心キャンパスの整備などで多額の費用がかかることはある意味博打です。長い目でみれば都心キャンパスの恩恵は確実に得られると思いますが、短期的には投資金額を回収できるものではありません。
もっとも、キャッシュリッチかつほぼ無借金といっていいレベルの強固な財務体質ですので、まだ余力はある気がします。皮肉ですが、この辺は大きな動きをしていなかった点が功を奏していると言えるかもしれません。
この他、さらっと書いていますが付属高校にも勤務する可能性がある点も押さえておくべきでしょうね。
同一法人で高校を設置している場合、人事交流があるケースと無いケースがありますが、人事交流があるケースでは職員の給与体系は同一である可能性が高いです。
そして、基本的に大学の方が稼ぎ頭であることが多いので、高校に引きずられて職員給与が全体的に抑制されている可能性が無きにしも非ず・・です。他大学でも同様の傾向が言えますので、待遇推測の際の参考にしてみてはいかがでしょうか。
以上、給与面では問題ないものの、土曜勤務がマイナス要素なため、A評価としました。
*上記評価等は個人的価値観に基づく評価付けであり、大学自体の優劣を論じるものではありません。
内情を知る者です。賞与は6.8ヶ月です。あと付属中高事務室も異動対象の一部署扱いです。
デスメタルさま、
情報提供ありがとうございます!
賞与6.8ヵ月ですか…すごいですね…w
ということは、22歳新卒でも、229,000円(初任給+住宅手当)×18.8で、残業抜きで420万以上の年収は期待できそうですね!
35歳モデル年収も、0.8ヵ月の賞与が加算されるとすると38万ほど+になるので、管理職でなくとも組合の資料に近づきそうです。
流石はMARCHの一角といったところでしょうか…というより、MARCHは6か月以上の賞与が標準なのかもしれませんね。