近畿大学と追手門学院大学はブラックなのか?

最近、近畿圏の中堅大学である近畿大学と追手門学院大学のニュースが世間を騒がせましたね。

近畿大学は賞与の不支給疑惑(組合との対立)、追手門学院大学は特定の職員に対する退職勧奨ともとられる研修の実施(腐ったミカン!)ということですが、果たしてこれらから察するに、この2大学への就職はどうなのか考えてみたいと思います。

 

近畿大学は関西圏で最も勢いのある大学ではあるけれど

近畿大学は2013年から志願者数で日本一を維持し続けているマンモス大学です。

東京圏の方が人口アドバンテージが圧倒的に高いことを考えれば、大阪で首位をキープし続けている実績は、かなり高い評価をしていいと思います。

 

とはいえ、だからといって近畿大学が日本一の大学かと言われれば、疑問が残るところです。

毎度お馴染みとなったつんくプロデュースの盛大な入学式や、積極的な広報戦術で一躍時の大学となった感がありますが、一定の効果はあれど、例えば関関同立に知名度やブランドで並んだかと言われればそうではないでしょう。

近大本人は偏差値にとらわれない実績で評価してほしいと、「早慶近」といった広告を出して話題にもなりましたが、裏を返せばこれも早慶の虎の威を借りているわけで、ブランドへの執着心が透けて見える気がします。

また、ある程度の上位校には「品位」が求められるのですが、大規模キャンパス改修の告知のために、大きな拳でキャンパスを破壊するCMを東日本大震災から間もない時期に流すあたり、こうした感覚が欠如しているのかなと、関係者間で囁かれていた記憶もあります(やっかみもあると思いますけどね)。

志願者数についても、上位校の定員厳格化によって恩恵を受けているはずにもかかわらず、そこまで志願者を延ばせていないのも近大の「限界」を感じさせます。

間違いなく人気大学ではあるのですが、巧みな広報によって分相応とは言い難いステージまで祭り上げられてしまった感がある大学なので、これから数年は厳しい環境が待っているのかなーと個人的に思います。

 

今回の賞与不支給問題について

とはいえ、だからと言って今回の賞与不支給問題の様に、経営に問題があるかと言われればそうではないでしょう。

今回は組合が話し合い(=賞与カットかと思われます)の場につかなかったため、それを理由に「じゃあ、賞与は決まらないから、一旦予定日には出しませんね」という話が問題になったと思っています。

この問題、Yahoo!ニュースのコメント欄などでは、いかにも組合側が交渉の場にもつかないから悪いという風な意見が多かったのですが、私の大学でも、組合では「労使交渉の場につくだけで使用者側に実績を作られるから気をつけろ」と叩きこまれた記憶があります。そのため、自分たちに都合の悪い交渉は、可能な限り時間を引き延ばし、無視を決め込むことでなぁなぁと進んできたという実績があります。

 

恐らく、近大の組合もこうした牛歩戦術によって、賞与カットの問題を引き延ばし、「しょうがない、例年通りで…」と支給されると高をくくっていたのだと思います。そこへ、理事会側が強気に出て「じゃあ妥結するまで払わねぇー!」となって、慌てて声明を出して世論に訴えた、という流れかと思います。

結局、非組合員と同等額が支給されたということで落ち着いたようですが、その内容はカットされたのかどうかは未知数です。

少し前のデータで恐縮ですが、組合資料からは、近畿大学の賞与は約6.4ヵ月+20万円という数値が出ておりますので、この数値が例えば1ヵ月減ったとしても相当な高待遇に変わりはありません。

近大の直近の採用ページを見てみると、新卒の事務系総合職の初任給は214,590円となっており、仮に1ヵ月減だったとしても、年収は1年目で400万を超えてくるでしょう。

現在のポジションや、元となる待遇を考えれば、この問題だけで「近畿大学はやばい」とは言えないような気もいますね。

 

問題だらけ?の追手門大学は就職先としてアリ?

さて、近畿圏の中堅大学で何かと話題になっているのが追手門学院大学です。

一昔前は学生の履修登録問題で話題となり、今回は一部職員への退職勧奨がリークされ、話題となりました。

 

履修登録問題は、やり方こそ悪かったにせよ、今求められる「少人数教育」を実践しようという心意気が感じられますので、問題になったかもしれませんが、ある程度の理解は得られたと思います。

ただ、今回の退職勧奨は個人的に完璧にアウトです。

この職場の方向性、風土が露わになっているといっても過言ではないでしょう。

 

もともと、ここの理事長兼学長である川原氏は改革屋で、かなりの負担を教職員に強いていることは業界では伝え聞くところです。

勿論、この激しい大学間競争を生き抜く上で改革は必須なため、こうした破壊的な人が必要になることも理解できるのですが、一緒に働く身からすれば相当大変だろうなぁと遠巻きに見ていたところにこのニュースです。

最近では定員増、新キャンパス開設などで加速度的に改革を推し進めているようですが、その流れに乗れについてこれないこれまでの大学職員に対して、退職を促していたということだと思います。

ぐうたらな身としては、背筋が凍るほど恐ろしいですね…。

 

私個人は、恐らくこうした追い出される側の職員になる気しかしませんので、こんな大学だったらどうなっていたかと思う訳ですが、現在の大学では今のところ、こうした追い出しはありません。影でこそこそ言われることはありますが、実害はありませんので、問題ないという訳です。

ただ、将来的に私のいるふわふわした大学がどうなっているかは分かりませんので、結果から言えば、こうした改革屋の追手門学院大学のようなところの方がよかったと言える可能性は存分にあります。

 

その改革については、以下のようなエントリーもあり懐疑的な見方も多いのですが(私もその一人です)、ゴールの見えない消耗戦を戦い続けることにやりがいを見出せるのであれば、こうした中堅・改革屋の大学に行くのもありかもしれませんね。

私立大学の没落傾向に歯止めはかからない-追手門学院大学の努力は望み薄であり,偏差値50以下の私大に「高等教育機関」としての存在価値はみいだせない(社会学者の随想)

*上記エントリーは、賛否はあれ、低偏差値大学の存在意義について議論するのに非常に参考になるかと思います。

 

肝心な待遇情報ですが、丁度今年度の採用は終了していたらしく、待遇情報を確認することができませんでした。

過去の組合資料からは、賞与は6ヵ月程度という情報がありましたので、悪くはありません。

ただ、昔のデータからも相当に職階によって待遇が変わっていたようですので、現在の政権下では更に格差が広がっている可能性もなきにしもあらず…ですね。

 

コラム:理事長兼学長の大学は避けるべきか?

話が少しそれますが、大学選びで重要な点に、理事長=学長である大学は注意が必要というのがあると思います。

大学職員を志す人以外はピンときませんが、日本では大学は設置する学校法人の長である理事長と、その大学の長である学長が異なるケースが多いです。

したがって、経営的な判断の際に理事長と学長が対立して物事が進まない…これを何とかせねば・・と経営と教学と分離が推し進められ、それぞれの権限の在り方=ガバナンスについて広く議論されているところです。

ところで、それの最も単純な解決手段が理事長兼学長というスタイルです(追手門学院大学も現在はそうですね)。

経営の最高責任者である理事長と教学の最高責任者である学長が兼務なら、何でもスピーディーに決められて改革も加速度的に進められる!という訳なんですが、リーダーが有能なら機能しますが、そうでないなら…という訳です。

個人的に、マッタリを求めて大学職員を目指される方は、現在は理事長=学長の大学は警戒したほうがよいと思っています。

 

まとめ

近畿大学は言わずとも知れた世耕氏の大学ですし、追手門学院大学も川原氏に牛耳られている感がありますね。

以前の記事にも書きましたが、大学選びの際「理事会が強い大学は避ける」というのがありました。

上記2大学は、設置場所は三大都市圏(大阪)ですし、収容定員も4,000人を軽く超えるところから、私の掲げる基準を満たす大学ではあります。

ただ、この「理事会が強い」という要素だけで、思っていた大学職員ライフを過ごせない可能性が大いにあることは頭の隅に置いておいた方がいいと思います。

 

私個人としては、恐らくこうした大学の方が金銭的な待遇はいいのかもしれませんが、働きたいかと言われれば、「うーん」となってしまうかなと思いますね。

 

皆様の大学選びに少しでも参考になれば幸いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA